応用情報の勉強方法について徹底解説!勉強スケジュールや受験前に意識したポイントを公開!

資格勉強

本記事は、2022年春期の応用情報処理技術者試験の受験体験に基づく、資格試験対策記事になります。

「応用情報を受けようと思っているけど、勉強方法のイメージがつかない…」「そもそも何をどのくらい対策したら合格水準まで持っていけるかわからない…」といった方へ、私の体験に基づいて、具体的なアドバイスをしたいと思います。

また、資格取得から1年が経過するので、資格が現職(IT業界)で活きているのか?についても記載しています。受けるか迷われている方は、ぜひ参考にしてください。

応用情報の試験概要

応用情報処理技術者試験は、独立行政法人のIPAという機構が提供している、ITエンジニアとしてのレベルを図る試験です。IT業界では有名な資格で、システム開発やIT基盤構築、経営など幅広い分野の知識を網羅していることを証明することができます。

試験の概要は、以下の通りです。公式サイトのURLは以下に共有します。

試験開催年2回(春期4月/秋期10月)
受験料7,500円 税込
合格基準以下の2試験の両方で合格基準に達している。
・午前試験 60%
・午後試験 60%
午前試験試験時間 9:30~12:00(150分)
出題形式 多肢選択式(四肢択一)
出題数  80問
解答数  80問
午後試験試験時間 13:00~15:30(150分)
出題形式 記述式
出題数  11問
解答数  5問
受験者合格率約20~26%ほど
2023/4/22時点の公式サイト情報です。最新情報は公式サイトから確認ください。

試験スコアを公開

私の受験スコアは、以下の通りです。

  • 午前試験:77%
    過去問道場では、正答率85~90%でしたが、本番でかなり落ちた印象です。
    受験後のSNSでの反応を見ても、例年より少し難しい傾向でした。
  • 午後試験:79%
    過去問では、正答率が65~75%でしたが、本番はそれよりも伸びました。
    部分点などの採点基準揺れのおかげか、結果的には普段以上のパフォーマンスでした。

どのくらいの勉強期間?勉強は何をした?

勉強期間は、約3か月です。仕事しながらの挑戦だったので、平日1.5H、土日祝6Hほど勉強に費やしました。

前提として、基本情報処理技術者レベルの知識がある状態からの勉強期間になります。

基本情報の勉強をしたことがない方は、プラス2か月くらいを見込んでおくといいと思います。

私が行った対策と所要期間は以下の通りです。

キタミ式テキスト(1周)2週間
でる順テキスト(午後対策)4週間
過去問道場(午前対策)15週間
過去問問題集(H29秋-H31春)4週間
過去問道場(R1秋)1週間
過去問道場(R2秋)0.5週間
過去問道場(R3春)0.5週間
過去問道場(R3秋)0.5週間
過去問道場(H29春)0.5週間
過去問道場(H28秋)0.5週間
過去問道場(H28春)0.5週間

各対策項目の詳しい説明は次章で説明します。以下のスケジュール通りに、それぞれの対策を並行して進めました。

お気づきの通り、応用情報の試験対策は、ほとんど過去問の対策になります。

ただ、過去問をただひたすら解くのではなく、いくつかポイントを意識することで圧倒的に効率があがりますので、次章で解説したいと思います。

また、試験の難易度がかなり高いので、いきなり過去問から対策を始めると、心が折れてしまう方がほとんどです。なので、まずは土台を固めるために必要なテキストを2冊紹介したいと思います。(詳細は後ほど!)

午前試験対策は何をする?

午前試験の対策は、シンプルに『量』をこなすことを意識しましょう。

とはいえ、いきなり問題を解き始めるのは、ハードルが高いので、以下の2ステップで対策しました。

キタミ式テキストを1周する

まず、キタミ式テキストを1周読みます。キタミ式テキストは、応用情報処理技術者試験の午前試験要領のほとんどを網羅的にカバーしているので、1周読んでおくと、過去問を解く際に理解度が格段に上がります。ただ、じっくり読むとそれなりに時間がかかるので、まずはさらさらと読み進めるで大丈夫です。過去問を解いたときに、苦手なカテゴリをもう一度復習するときにじっくり読みましょう。

過去問道場の全カテゴリーを1周する

この対策が午前と午後試験の対策を含めて一番重要です。

『過去問道場』という午前試験の過去問を一問一答形式で出題してくれるサイトの問題をひたすら解き、正答率を80%以上にします。

過去問道場の問題は、「テクノロジ」「ストラテジ」「マネジメント」の3カテゴリに分類されます。

私は、「テクノロジ」>「ストラテジ」>「マネジメント」の順でカテゴリを絞って、問題をときました。「テクノロジ」は問題数がかなり多いので、とりあえず半分問題を解いたら、次のカテゴリに移り、全カテゴリをマスタしてから、残りの半分を解きました。

この対策が応用情報合格に一番効いてきます。午前試験の対策にもなりますし、午後試験でもこの手の知識がないと解くことがでいない問題が数問出題され、この数問が合否をわけてくるので、とにかく『量』を意識して、正答率80%以上を安定してとれるようにしましょう。

私は、以下のポイントを意識して『量』をこなしました。

  • 間違えた問題は、必ずなぜ間違えたのか説明できるまで解説を読む。
  • 解説の理論がそもそもわからない場合は、キタミ式テキストまたは、Googleで調べて理解する。
  • 通勤時間や寝る前など隙間時間にねじ込み、1日20問は解くことを目標にする。
  • Googleフォームなどを利用して、解いた問題/カテゴリ/正答率などを記録する。(以下で解説!)

Googleフォームを利用して、毎日以下のフォームを入力するようにしていました。

これをGoogleのスプレッドシートで集計することで、カテゴリごとの正答率や、日ごとにどれだけ問題を進めたかなどを可視化し、モチベーションを保ちながら、改善し続けることができました。

正答率、問題数の累計を集計しています。
日ごとに、正答率と問題数を集計しています。
カテゴリごとの問題数の比率を確認していました。

午後試験対策は何をする?

午後試験の対策は、『量』も大事ですが、『質』が特に重要になります。

いきなり、過去問を解くのはハードルが高いので、以下の2ステップで進めましょう。

出る順テキストを2周する

午後問題対策の最初のステップは、問題の出題傾向と解き方を理解することです。

おすすめは、『情報処理教科書 出るとこだけ!応用情報技術者[午後]』というテキストです。

このテキストは、午後試験の過去の出題傾向から、よく出題される問題を、出る順形式で解説しているので、大変効率よく午後試験の感覚を掴むことができます。

以下のポイントを意識して学習を進めましょう。

  • 1周目は内容理解をメインにじっくり読み進め、章末問題で理解できているか確認します。
  • 1周目の章末問題で間違った内容は、必ず解説を理解できるまで、読み込みます。
    ノートなどに図解をしながら、複雑な内容を整理して理解していきます。
  • 2周目は、定着メインで「章末問題を解く⇒間違えたカテゴリは読み返す」を繰り返して進めましょう。章末問題の正答率は、80~90%を目指しましょう。

過去問を4期分以上解く

ここまできたら過去問に取り組みましょう。初めはしっかりとした解説が欲しいので、過去問テキスト『応用情報処理技術者パーフェクトラーニング過去問題集』をおすすめします。4期分の過去問があり、解説も充実しているので、「問題を解く⇒採点⇒解説の理解」のサイクルをどなたでも回すことができます。

過去問に取り組む際は以下のポイントを意識しましょう。

  • 実際の試験時間を意識し、時間を測る(午前/午後試験ともに150分で解いてください)
  • わからなくても解説を見ずに最後まで進める
  • 午後試験は5問選択するが、解き終わったら残りの6問も解いてみる(理由は後ほど!)
  • 午後の選択問題は、1問解くのにかかった時間と正答率を集計する

時間を測る理由は、2つあります。

1つ目は、「実践感覚を身に着けることができる」ためです。当日試験は、午前・午後試験と、続けて150分×2の時間も、集中し続けることが求められます。集中力を鍛え、本番も普段通りのパフォーマンスを出すために実践と同じ環境で過去問に取り組んでおきましょう。

2つ目は、「時間配分の感覚がわかるようになる」ためです。本試験の特に午後試験は、時間の配分が求められます。問題を選択することもあり、いかに早く、解いている問題に見切りをつけてほかの選択問題を選ぶか?長文の問題を読みながら効率よく答えを導くことができるか?を感覚的に身に着けておくことで、必ず本試験の余裕につながってきます。

選択問題は、11問すべて解くようにしましょう。

理由としては、午後試験の選択問題の得意不得意を確認するためです。午後試験は、いろいろな分野の問題が計11問用意されています。その問題の中から、セキュリティ分野1問+他の分野4問を選択して解く形式です。

つまり、自分が選ぶべき得意な選択問題と、自分が苦手で選ばないほうがいい選択問題を把握しておくことが重要になってきます。

ただ、11分野でも、年によって難易度にばらつきがあります。例えば、20年のデータベース分野は100%だから得意だな!と思っても、21年のデータベース分野は全く解けない…ということになります。なので、4期分の11分野を解いて、平均をとることで、自分の得意不得意の傾向を見つけていくことが望ましいです。

参考までに、私の各カテゴリ集計を公開します。

4期以上のデータを集めることで、より信頼できる得意不得意が見えてきますね。(私はデータベースが苦手みたいです笑)

ちなみに、正答率などは、以下のテーブルで管理していました。

分析ができたら、自分が選ぶべき5分野+念のため2分野に絞りこみ、解いたことのない期の過去問を解き始めましょう。午後の過去問は、すべて「過去問道場」で公開されているので、PDF保存⇒用紙に印刷してから問題を解くことができます。(より実践に近い紙で解くことをおすすめします。)

選択分野は何がおすすめか?

得意分野は、人によって変わってきますが、文系出身で、IT知識も並だった私が選んでいた選択分野を以下に公開しているので、参考にしてみてください。(私のような人にはあっているのかも?)

基本情報から応用情報どのくらい難易度あがる?

私は、基本情報も応用情報も取得しましたが、両者の試験の違いについて軽く説明したいと思います。

基本情報と応用情報の試験要領は、ほとんど共通です。ただ、応用情報は、知識の「深さ」「正確さ」を求められます。

まず、知識の「深さ」ですが、単純に同じセキュリティ分野の問題でも、問われる知識量がワンランクアップしている印象です。例えば、基本情報では、「ファイアーウォール」だけ知っていればよかったものが、応用情報では、「ファイアーウォール」「WAF」は、こういった使い分けができる。といった具合に、問われる知識レベルが上がっています。

次に、知識の「正確さ」です。基本情報では、選択式で消去法などで割り出せれば何とかなった問題が、記述式で一言一句間違えなく問われるといった具合です。参考書で見たことあるけど、単語がぼんやりしている…けど消去法だから解けた!みたいなことは期待できないです。

以上の2点が大きな違いだと思います。応用情報は、難易度こそ上がるものの、それだけ知識の「深さ」「正確さ」を身に着けていることを証明できる試験だと思うので、合格した時のうれしさは大きいです。是非、前向きに取り組みましょう。

資格は役に立っているか?

私は、メーカー系SI企業に勤めており、入社2年目の春に応用情報を取得しましたが、次の場面で役に立ったと実感しています。

お客様とのミーティングや、社内でのコミュニケーションの場で置いて行かれることがなくなった。

新人SEあるあるだと思いますが、専門用語などが飛び交う会議で、どんどん話についていけなくなるといったことを経験した方は多いのではないでしょうか。応用情報レベルの知識を習得するだけで、話の理解度が全然変わります。

②各開発プロセスで何をやっているのか?を理解し、仕事を進めることができる。

SI企業ですので、開発プロセスの上流にかかわることが多いですが、これまでは、プロジェクトマネージャーから指示を受けた仕事を受け身になってこなしていました。

応用情報を勉強したことで、各開発プロセスではどんな成果が求められているのか?や基本設計で可用性について今は決めているな。

監査の視点で、こんなことを注意して進めているな。など、プロジェクトで何を目的にして動いているのかが見えてくるようになり、プロジェクトマネージャーがどういった意図で仕事を進めているかなど、今までになかった視点から、学ぶことができるようになりました。

Kazu
Kazu

ここまで、読んでいただきありがとうございました!
皆さんの合格を心よりお祈りしています。
また、当ブログでは、別資格の受験記も掲載してます。
興味のある資格記事がありましたら、ご一読いただけると幸いです!

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